Original

運用のプロは何を見ている?リスティング広告、検証の基本を公開

リスティング広告のメリットは、運用のデータが取得できること。そして、そのデータに基づいて、広告を改善していけることです。

ただ得られるデータがあまりに膨大なために、広告運用に際しては売上を増やしたいのか、登録会員数を増やしたいのかなどの「目的」を最初に明確にし、その目的に対する効果を見るための「指標」を設定することが重要だとお伝えしてきました。

今回は上記を踏まえて、実際にプロがどんな意識を持ってアカウントを見ているのか、どうやって改善ポイントを見つけているのか、手順を追って見ていきましょう。


リスティング広告の「検証」できていますか?

実際に指標を決めて運用しているつもりでも、いざ数字のあふれる管理画面を見ると、どこを見ていいか分からず、数字に惑わされてしまいがちです。

しかしプロの運用者は、限られた時間で最大限の改善を行なうために、管理画面のどこを見るべきか、何を見るべきかを明確に判断しています。

なぜなら数字を全部見て判断していては、時間が足りなくなるからです。限られた時間を、有効な施策に費やすためにも、見るべきポイントを的確に見つけられるようになりましょう。


管理画面のどこを見るべきか

リスティング広告の管理画面でどこを見るべきなのでしょうか。その広告の目的にもよりますが、最も多い「商品販売」のアカウントの場合は、やはり顧客獲得単価(CPA)から見るのが一般的です。

また、そのアカウントが、

  • 広告運用のどの段階にあるか
  • どれくらいの期間運用をしてきたか

によっても見るポイントが変わります。

運用開始からしばらく経って、コンバージョン(CV)もある程度出ているアカウントの場合、まず現状のCPAが目標CPA内に収まっているのか、超過しているのか、どれくらいの改善が必要なのかを確認します。

一方、運用を始めたばかりでまだ十分なCVが発生していない時は、まずはクリック数が十分にあるかを確認します。

クリック数が十分でない場合は、そもそもの配信ターゲットの設定、キーワードの選定、広告の内容等に問題があるかもしれないので、そこから改善していくのです。


インパクトの大きい部分を見つける

今回は参考として、ある化粧品販売のアカウントについて検証してみます。これは、すでに数年運用してきて安定してCVも出てているアカウントであり、目標CPAは9,000円です。

以下の数字を見て、どのように効果を測定・分析したら良いでしょうか。

こうして最初に数字を見るときに、プロの運用者が心がける点があります。

それは、漠然と全部の数字を見るのではなく「どこを改善したら、アカウントの改善に最も効果的か」を考えながら見るという事です。

例えば、このアカウントであれば、目標CPAは9,000円ですから、「キャンペーンC」では目標CPAを大幅に超えてしまっています。

全体のCPAも目標を超えていますので、キャンペーンCに手を入れたくなるかも知れません。しかし、全体に与える影響という点で見ると、それは適切ではありません。

キャンペーンCは確かに目標CPAをオーバーしていますが、CV数も10件と少なく、細かく分析して多少数字が改善されたところで、全体に与える影響は大きくないからです。

一方、キャンペーンAは月間のCVが210件と、このアカウントの中では最も多くのCVを獲得しています。この2つのキャンペーンを改善して全体CPAを目標の9,000円まで下げることを考えてみましょう。

1. キャンペーンAを改善した場合

単純計算ですが、キャンペーンAならCPAを8,833円以下に改善できれば、全体CPAを9,000にすることが可能です。


2. キャンペーンCを改善した場合

しかしキャンペーンCの場合、CPAが現在の10分の1の2,000円になったとしても全体CPAを9,000円にすることはできません。実際には10分の1になるなどということはまず考えられませんので、つまりキャンペーンCの改善は全体の改善につながりにくいのです。


これは極端な例ですが、それだけ「どこを見るか」「どこに手を入れるか」を見誤ると改善につながらないということです。

このアカウントの場合、プロならキャンペーンCを細かく見ることもありません。その分の時間も使って、キャンペーンAを検証・分析・改善していくのが正解です。

つい、数字が悪いところに気が取られがちですが、あくまで「全体のCPAを改善するには」という視点から、数字を見るようにしましょう。

また、この考え方はキャンペーンから、キーワードなど細部を見ていく時も基本的に同じです。

アカウントの中で、どのキーワードが大きな影響力を持ち、少しの改善でもアカウント全体の改善につながるのかを考えるようにしてください。


「良いところを伸ばす」方法もあり

一方、アカウントの中で良いところを伸ばすことでも全体のCPAは改善できます。

例えば、先ほどのアカウントの場合、多少CPAが悪くなっても良いから、キャンペーンBの獲得を増やすようにしてみます。

キャンペーンBは、平均掲載が5位と高くないにも関わらず、1.8%と高いCVRで獲得に成功しています。

入札を強めて掲載順位を高くした結果、こうなりました。


こちらも単純な例ですが、元々4,000円だったCPAが5,000円になったとはいえ、全体の獲得件数も伸び、目標CPAもクリアすることができています。

多くの方は「安いCPAで取れている」場合に、数字上の悪化を恐れてしまいます。しかし、プロの目線から見ると、目標CPA内よりかなり安く取れている=まだチャレンジが出来る領域です。

安く取れているからといって数字を守ろうとするのではなく、本来の目的である獲得件数の増加・売上アップのために最適な施策を選ぶのです。

CPAはビジネスモデルから逆算して、利益が出るように設定されているはずです。

言ってしまえば、CPAは全体で目標内に収まっていればOKなので、「できるだけ安くしよう」と努力するのは、売上アップに対して効果的とは言えません。


まとめ:検証・改善は効果が大きい所に集中する

このように、リスティング広告の検証を行なう時には、結果に与えるインパクトの大きい部分を見極めるように見ることが重要です。

もちろん悪い所をいつまでも放っておけというわけではなく、効果が高い所を改善していけば全体のCPAが下がり、効果の出ていないところに手を付けられる時がくるということです。これは、あくまでも優先順位の問題。

数字が悪い所を見つけると改善をしたくなるかもしれませんし、良い数字が出ていると「維持したい」と思うことがあるでしょう。しかし、プロの場合はそれが本当に「目的」に結びつくかどうか、遠回りにならないかという視点を忘れません。

だからこそ、常に効果の大きい改善を行ない、「目的」を達成するための施策を打つことができるのです。運用結果を検証する際には、常に「目的」を意識し、目先の数字に振り回されないように注意すれば、あなたもプロのように効果的な施策が打てるでしょう。

株式会社リスティングプラス

株式会社リスティングプラス

2011年にリスティング広告の代理業をメインに設立。これまで500社を超える事業者のWeb広告運用代行・4年間で累計10,000人以上へのコンサルティングなど多くの実績を持っています。 「広告運用開始から約3ヶ月で月商3000万以上に急成長」「売上を伸ばすまでに半年間」など、さまざまな成功曲線がある中で、ほとんどの企業のWeb広告を成功させてきました。

連載コンテンツ